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開かずの資料室 その3

幽霊が出ると噂され、誰も入ることのない
「開かずの資料室」

たまっていく一方の書類を保管する場所を求める
コロ沢くんが、ついにこの資料室に目をつけました。

コロ木くんや私が止めるのも聞かずに
中に入っていくコロ沢くん。

あとを追うコロ木くん。

私が入ろうとすると、ドアがバタンと閉まってしまいました。

そして中から二人の悲鳴が!

大丈夫か?今行くからね!


私は焦ってドアノブをガチャガチャして
やっとのことで扉をこじ開け
中に入りました。

明るいところから急に入ったためか、暗い資料室が黒一色の闇になっています。

目をこらしてみると、先に入った二人が手をとりあって
ガタガタ震えていました。


彼女たちが注視しているもの。
視線を追ってみると、


うわ!!なんだ?あれは!


じっと見ていると、だんだん目が慣れてきたのか
謎の物体の輪郭が見えてきました。

え?あれってもしや?


これは先代社長の銅像ではないか!

以前は社長室に置かれていたのに、なんでこんなところに??

「先代社長ですかぁ?」

銅像だとわかって安心したのか、コロ沢くんがいつもの調子に戻りました。

そうなんだよ。今の社長が就任してからこの銅像が見えなくなったのだが、こんなところに押し込めておいたのだね。

「それにしても、きったない部屋ですね」

コロ沢くんが率直な意見を言います。
そのとおり。
どうやら、現社長は片付けが苦手らしく、
手当たりしだいにこの部屋にぶち込んだ形跡があるのです。
さてはこれを隠すために、誰にも部屋に入らせないように
幽霊話を流したな・・・。
(コロ山くん、君もグルか?)


「なぁんだ!じゃ、この部屋片付けて総務部の荷物を置いちゃおうっと」
ああ、この「開かずの資料室」も、片付け女王・コロ沢の
支配下になってしまったか・・・。
こうして、私たちは思わぬ戦利品を得て
総務部に戻ったのでありました。

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